とにかく楽しみたいならこれだぞ! |
■落語的学問のすすめ〈PART2〉 |
さすがに落語家だ! 面白いネタを面白く話す。
それだけではない。「きちんと」内容が有るのだ。
古典芸能、話芸、コミュニケーション、メディアのことまで。
笑いながらも、きちんと「笑い」を考えさせてくれる。
関西大学での講義の様子を実況生中継風に記録した本。 |
■われ笑う、ゆえにわれあり |
さすがに哲学者の著者である。思いっきり何も考えずに笑える。
日常のどうでもいい瑣末なことを“しつこく”律儀に考えるあたりが、哲学者だ。
そして、その瑣末なことをまじめに下らなく書き綴ってくれたのが本書である。
しかし、これを読むと「仕事場におけるユーモア感覚」を身につけてくれる。(もちろん、そのまま実行し、呆れかえられるというオチもある。)
独特な言い回しが昔の北杜夫を思い出させるが、さらに洗練されてもっと「くだらなく」なっている。
ここが読者の好き嫌いが分かれる点だろう。
ただし、以上のことは文章の表現上のことであり、そのような洗練された「くだらなさ」を用いて、読者を「笑わせる」文章にして書くことは、それはそれで高度なテクニックと思考回路を要する。
最近では、この手法を僕は自分の講演スタイルにも応用し、重宝しています。
頑張れ!土屋先生!! (土屋先生のシリーズは全て、笑えます。ただし、先生の論文が笑えるかどうかは不明です。読んだことがないので。)
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■川柳で乗り切る人生のデコボコ道―気持ちが楽になる効果抜群の120句 |
川柳は作ろうとすると易しいようで、難しい。
そこで、まずは先人の「名作」を解説付きで読む、というのが常套だろう。
本書は珍しく若い女性(川柳や俳句は年寄りのもの、というのは固定観念です、はい。)による解説である。
その解説がまた、痛快で川柳以上に面白かったりする。
作者の解説も簡潔であり、川柳の背景が見えて楽しさ(あるいは辛さ)がより鮮明になっている。
本書の構成は「男と女」、「職場・社会」などの5つに分類されており、それほど、世の中は「川柳のネタ」になりやすいのだとしみじみ感じる。
俳句も川柳も五七五という短いフレーズで、ズバリと世の中を(あるいは自分を)詠むことが醍醐味だが、この本はその醍醐味をいかんなく、読者に伝えてくれる良書である。
これを読んだら、実作の本を読みたくなる。 |